親は「子供」に対して犯罪的に『神』である

★親は「子供」に対して犯罪的に『神』である

どこまでも、どこまでも、どこまでも。それは密室であり、閉じた空間であり、余所者が干渉できない。親は家庭空間で『絶対神』になれる、『絶対神』として振る舞える。子供を殴ることもできるし、愛することもできるし、罵倒することもできるし、褒めることもできるし、無視することもできるし、抱きしめることもできるし、追い詰めることもできる。僕は親として、こうした『神』として振る舞える実感を抱いて子供を育てている。

密室でどのような『神』として振る舞うかは、子供を得た親たちそれぞれに決定権がある。家庭内での振る舞いは、親が個人の「意志と感情」で自由自在に決定できる。

子供を得た親、それは日々の生活において『神』として自由に振る舞える。子供を捨てることもできるし、殴ることもできる。誰も見ていない。誰にも邪魔されない。好きなようにしつけ、言葉を浴びせ、モノを自由に与え、自由に奪い、自由に抑圧できる。親は「子供」に対して犯罪的に『神』として家庭で振る舞える。これは事実で、否定できず、それほど家庭は他人が立入禁止の聖域だ。「家族狩り」というテレビドラマには考えさせられた。

★北海道で女子高生が母親と祖母を刺殺した事件があった(2014.10/1事件)

ネットなどで集めた断片によると僕が把握した範囲では、祖母、祖父、母親、父親、長女、次女、三女の一族だった。祖父が死んでかなりの遺産が祖母に入った。父親は離婚して、次女を引きとった。この一家は佐竹家の人々。祖母佐竹須三代さん71歳、母親佐竹和美さん47歳、長女２３歳、三女女子高２年生17歳（祖母の顔写真は強烈な容姿・普通の７１歳のばあさんではない）の４人世帯となった。

三女は幼児期から虐待されており、行政（児童相談所）に把握されていた。何というか、虐待歴の途方もない長さに圧倒される。10年以上……もしかすると17年？生まれてからずっと？

住んでいた家は相当立派な大きな家である。その家でなく隣の物置（立派な小屋）に三女は住まわされていた。生ごみも食べさせられていたとか。三女の母親も祖母から虐待を受けて育ったようなコメントも。虐待内容は、殴る、ける、竹刀でたたく、火の付いたたばこを腕に押しつける、トイレを使わせず、風呂は夏でも週１回だけ。冬には庭に立たせて水をかける――。などとの報道記事もある。

想像でしかないが、女子高生は、産まれた時から暴力を伴う虐待を受け続け、恐怖と憎しみを募らせ、１７歳まで誰にも助けてもらえず、家庭内で『絶対神』として振る舞う祖母と母親に支配され続けてきたのだろうか。

犯行前の三女のツイッターの文章

あーーーーーーーーー
絶対あれだな、あれしちゃうかな。がち消してやりてぇ
存在も記憶からも…（複数の包丁の絵文字１５個）

そんな親や祖母は殺すに限る。何か文句があるなら、きみが、そんな親からその子を救って、かつその被害児の人生を背負って安定させてみろ。それはどうせ無理だろう。そんな子供に逃げるべき行き場などない、きみにはそんな行き場は用意できない。僕にもできない。僕は僕の生活で手いっぱいだ。他人に構う暇などない。

児童相談所への批判にも興味はないし、警察への批判にも興味はない。なぜなら、そのような親を永続的に拉致して、切り離し、子供の人生を安定させてあげられるような素晴らしい制度はこの世界に存在していないのだから。

「瞬間介入」は成立しても

「永久介入」は存在しない

すべては他人事だ。

この事件では、同級生らが、三女の処遇に配慮を求める嘆願書と約１万人分の署名を札幌地検に提出したそうです。

処分について札幌家裁は、殺人の非行内容で家裁送致された三女を医療少年院送致とする保護処分を決定し、三女の責任能力や事件の計画性を認めたうえで、祖母や母親による虐待が動機に影響していると結論づけたそうです。