高校生・大学生が本当に読むべき本【読書おすすめ厳選本10冊+α小説3冊】

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チョコごろねさん



僕が、紹介する本の属性は4つ―①日常と人生、②学問、③お金、④犯罪

10代半ば過ぎから20代前半の若い人が読むべき10冊。すべて生きていく上で必要な知識が学べる。仕事の本は10冊には入らない。お金の本の方が大事。自己啓発の本も入らない。

ほとんどの有名どころの自己啓発本を読了したうえで書くけど、あれは絶賛することで売り上げを伸ばす商法みたいなものだ。本当にいたる所で絶賛されている。ちょっとカルト的な熱量で。だから自己啓発本をすすめる人には、ネットワークビジネスにはまる人に共通するカルト的な妙な高揚感が漂ったオーラがある人ばかりいる。僕はそういう人は自己洗脳が強いと思っているので距離をとる。

社会人になれば出会う人間層が広がるし親元を巣立つこともあり得るから、強烈な悪意を持った人間が大人の世界にいることは知っておくべき。だから犯罪の本も大事。

高校生・大学生の人は、その年代での読書として次の10冊をどうぞ。加えて+αで小説を3冊。夏休みの読書に、秋の夜長の読書に、冬休みの読書に。「読むべき本」を検索してまで求める若い人にとっては、人生での大切な一冊に出会えると思います。
【読書】高校生・大学生が本当に読むべき本【厳選本10冊+α小説3冊】


★日常と人生について-3冊

1冊目
二十歳のころ

二十歳のころ―立花ゼミ『調べて書く』共同製作

二十歳のころ―立花ゼミ『調べて書く』共同製作

『すべての青春は「謎の空白時代」である』と序文に書かれています。本当にそうだなと思いました。この本は、様々な高齢の有名無名の方々から「あなたが二十歳のころはどんなことを考えていましたか?どんなことをしていましたか?」と聞き取っていった良書。何歳の人が読んでも考えさせられることが多く、いろいろなことを学べる。昔の人々もいろんなことで悩んだり、意外といい加減に生きていたりと本音に近い距離感のコトバが集まっていると思います。



2冊目
私は魔境に生きた

私は魔境に生きた 終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)

私は魔境に生きた 終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年 (光人社NF文庫)

「戦争もの」としてではなく「サバイバルもの」として最高の本。敗戦を知らずにニューギニア山奥で生き延びた複数の兵士が協力しながら、発見されるまで『10年』営んでいた原始生活が描かれている。すべて現地調達、自給自足の生活。戦争が終わったことを知らず、仲間以外の人間の雰囲気を感じると敵兵に殺されると考え、必死に逃げる。最初の方は戦争中心の記述で、少し読み辛いです。甘藷(「かんしょ」と読む、さつまいものこと)というような旧字も出てきます。しかし、もっと世に知られるべき名著。最高の本。気になった方はアマゾンレビューを眺めて見てください。



3冊目
どん底の人びと

どん底の人びと―ロンドン1902 (岩波文庫)

どん底の人びと―ロンドン1902 (岩波文庫)

名著。約110年以上前のイギリス産業革命末期におけるロンドンスラム街のルポルタージュです。命がとても粗末に終わっていく。その様子をいろいろな角度から記録した本。あまりに内容が重苦しいので3回捨てて4回買い直して、未だに持っている。もう捨てない。ずっしりとした重みがある本。




★学問について-2冊

4冊目
フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

とても面白いです。数学の知識も必要なく読めると思います。見た目と違いかなり読みやすい本だと思います。「博士の愛した数式」という小説も面白いですが、こちらが別格に素晴らしい。



5冊目
東京大学機械的合格法

東京大学機械的合格法―難関大学を突破する超合理的勉強術

東京大学機械的合格法―難関大学を突破する超合理的勉強術

勉強法の本はいろいろあり、東大医学部出身の和田秀樹や司法試験突破の伊藤真なども有名です。この本が特別に素晴らしいと言えるわけではないですが、充分な水準に達しているので、僕が人にすすめるとしたらこの本をすすめます。『東京大学機械的合格法』という結構ふざけたタイトルが秀逸で好きです。勉強法を知っていると、勉強をすることの面倒臭さは変化しませんが、「どうしたら良いのか分からない」ということは無くなります。「理解力が不足しているのか」・「元来の頭が悪いのか」・「勉強量が単純に大幅に足りないのか」・「勉強の方法が間違っているだけなのか」をはっきりと分けて思考できるようになります。


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by ブログ「ただそのために」さん

★お金について-3冊


6冊目
地球の歩き方

D28 地球の歩き方 インド 2014~2015

D28 地球の歩き方 インド 2014~2015

優れた旅本は他にもあります。ベーシックな一冊に過ぎません。世界を体感すると視野は勝手に広がります。海外旅行はお金のカタチを知ることができる貴重な機会。生きたお金の勉強の一つ。外国のお金(ドル・ユーロetcを手で現実に握る)・為替相場・値札がない世界での値切り交渉・クレジットカード・トラベラーズチェック・日本と違い撃ち殺しにくる強盗。すべて生きたお金にまつわること。これは、この本がどうというより、大人になる程チャンスがなくなるので、お金はないけど時間はある若いうちに機会があれば、海外旅行は行ってみた方が視野が広がると思いますよというただのおすすめです。福利厚生に恵まれた会社以外、退職するまで海外旅行できるほどの「連続の休み」をもらえない会社は幾らでもあります。



7冊目
この世でいちばん大事な「カネ」の話

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

最初の2ページでも読めばこの本の世界に惹きづり込まれると思います。著者の西原さんは高知県育ちだそうで、お腹にいる時点で両親が離婚して、実父は会うことがないまま3歳に時にドブに落ちて死亡、新しい父親はギャンブル狂いで母親を殴りながら、自殺。西原さんは、溜まり場でのシンナー・酒・たばこ・乱交・窃盗が当たり前の風景で仲間と育ち、一時期だけ羽振りが良かった会社経営の新しい父親と母親の見栄により私立お嬢様中学校に進学したそうですが、高校では強制退学。大検を取得して、母親が今の世界から抜け出すようにと全財産140万円のうちの100万円をくれたことにより東京へと脱出し、美大に進学したそうです。この本は、「カネ」について胸に刻み込むべき事柄で構成されている濃度の高い本です。薄い本で読みやすいです。アマゾンの低評価レビューもその通りなので参考になります。好き嫌いが分かれるかもしれませんが、僕にとってはきちんとした「カネ」の話というのはこういう本の内容のことだと思っているので違和感はありません。

この本の「おわりに」という部分に、個人的に好きな問いかけの文章があるので最後に抜粋させてもらいます。

ねえ、どう思う?
人って、生まれた環境を乗り越えることって、できると思う?
わからないなあ、それは。わたしにも。

※参考
上記の本と無関係な他の本で学んだ発想で役立ったものを、参考に記録しておきます。
その本は『金持ち父さん貧乏父さん』とういう有名な本ですが、投資に誘導する記述があるので僕は特におすすめしません。僕はこの本の発売と同時に購入し、それから株式投資・不動産投資・バブル崩壊・企業経営・経済学etcの本を100冊以上読み込んだうえで、株式投資投資信託・外貨預金などを20代から運用しています。その経験を踏まえた上で表現しますが、投資は「狂乱に至るギャンブル」です。『狂乱に至るギャンブル』というのは百万円単位で「お金を突っ込む」実体験がないと理解できない部分ですが、素人を投資に誘導するというのは残酷な行為だと僕は思います。ただ、この本は、投資に誘導する記述を別にして、『資産』と『負債』に関する独特な定義が特に素晴らしいと感じているので、その部分だけ「自分が理解したカタチ」で紹介しておきます。


●自分の財布からお金が持っていくモノはすべて『負債』である。
携帯電話・インターネット接続・新聞・車・バイク・家・電気水道ガスetcはすべて『負債』です。なぜなら、これらのものは保有すると毎月財布からお金を持っていくから。


●逆に自分の財布にお金を入れてくれるモノは『資産』である。
地道な日々の仕事やアルバイトによる給料・貸家・貸土地・貸駐車場・著作権etcは『資産』です。なぜなら、これらのものは毎月財布にお金を入れてくれるから。(借り手のいない家や土地は『負債』です。固定資産税等のお金を持っていきます。)


上記は、『負債』と『資産』の定義が独特だけど正しいと思いました。参考まで。




8冊目
経済学をめぐる巨匠たち

経済学をめぐる巨匠たち (Kei BOOKS)

経済学をめぐる巨匠たち (Kei BOOKS)

経済学部の1回生には特におすすめかなと思います。『経済とは何なのか』を理解するための土台をつくってくれる本。この本は経済学者1人にこだわるのではなく、全体像を提示してくれます。全体像を把握できると学問はとても吸収しやすくなります。様々な経済学の本、会計学の本、簿記に関する本、株式投資の本、投資信託の本、お金儲けの本etcに目を通しましたが、この本は読んだ本の中でも最強クラスの優れた本です。経済学の全体像を理解させてくれる傑作。経済学は、お金について学ぶための基礎学問。


★犯罪について-2冊


9冊目
凶悪

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)

殺人罪で、死刑が確定間近な元稲川会系暴力団組長が、外の世界でのうのうと生きている『他人の命を現金に換えること』を教えてくれてずっと行動を共にしていた「先生」を道連れにしようと思い立ち(本の中では義理を破ったから等と説明していますが、道連れと捉えるのが自然)、東京拘置所の中から出版社の人間と面会をすることでその思いを果たしていきます。「先生」も気持ち悪いですが、元組長も「お前は発覚していないだけで一体、何人殺しているんだ」というような凶悪人です。本には「組長」と「先生」の写真付き。「先生」が妻と子供達と豪邸に住んでいて白髪の細身の老人でまったく普通なのが、またエグイ。「先生」の妻は、「先生」が普通の仕事をしていると思っているところがまたエグイ。『他人の命を現金に変換する』知識をもった不動産屋や印鑑・書類作成屋や保険屋や殺人請負人や老人ホーム経営者がこの世界では結託して白昼堂々と生活している。余談ですが、老人ホームの入居ではおそらく、貯蓄額や不動産等の資産状況・家族構成を書面で提出することがあり得ます、こういった個人情報には恐ろしい利用方法が存在します。証拠を残さなければ捕まることはない。



10冊目
消された一家

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

日本史上に残る監禁リンチ殺人事件。7名が殺された。男と女の共犯だけど、松永という男と女の接点は高校の同級生だったというだけ。話したこともなかったらしい。男が卒業アルバムから適当に実家が金持ちの女に「在学中に君から借りていた50円を返したいんです」とか妙な電話をかけて無理やり接点を作っている。女性は2回拒否している。数年の間隔を挟んだ3度目の接点で実際に出会ったことが女の転落人生の始まり。女性は幼稚園教諭として普通の人生を歩んでいた。男は腐った人間。こんな奴がいるんだな、と勉強になります。他人の子供にも通電などの虐待を加えて恐怖で支配したうえで親を殺すのを手伝わせて遺体の解体廃棄を手伝わせて共犯関係から抜け出せなくさせ、そのうえでその子供も殺している。あまりの常軌を逸した内容に報道規制され、途中から事件がテレビ媒体では一切報道されなくなったという稀代の凄惨事件。尼崎の10数名監禁リンチ殺人事件もこれに似ている。遺体は本当に解体して廃棄してこの世から消しています。そのままタイトルは「消された一家」。本当に消された。消されたのは一家だけではないですよ。別の人間も殺されて消されています。本当に消した人間が何人なのかは松永にしか分かりません。尼崎事件の「家族喰い」というルポルタージュも系統が似た事件で悪意の怖さを実感できると思います。「消された一家」は、社会の裏側に潜む地獄を垣間見ることができる、自分の他者への警戒心を高めてくれる傑作ルポルタージュ


★+小説3冊


感想は何も書かずに。1巻完結。日本2冊、海外1冊でどうぞ。

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

月と六ペンス (新潮文庫)

月と六ペンス (新潮文庫)

高校生・大学生は、この10冊+α小説3冊のうち気になった何冊かを読んで、社会に出る備えをして下さい。



―終了―

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