トーク・会話・雑談ー『話題の永続性』という巨大障害物と「沈黙」の自然さ
「トークの本質は何も考えずに話すこと-それはどうすれば可能になるのか探ってみる」
- トークのぐだぐだカクテルその19
★『話題の永続性』という巨大障害物
『話題の永続性』は困難な問題だと思います。過去の話や、共通している体験というものには必ず限度があります。つまり、『ネタ』には永続性がありません。互いに深く話し続けているうちに、相手のことをしりすぎて、あまり面白く感じなくなることがありますが、それは自分が興味をもって相手に聞いていた『ネタ』が尽きたときなどに見られます。一般にネタをやっている若手芸人は、「フリートーク」の現場で面白い会話が出来ずに苦労しています。ネタやコントといった、「自分の中で繰り返し練習したモノ」とは別の「どうでもいい会話」で勝負しなければいけないのです。
実際のところ、『話題の永続性』を有しているような話題は、毎日続いている毎日変化している「毎日」の中に一番多く存在しています。だから人は、「今日は凄い暑いっすね」とか「さっき、課長から、こんなこと言われちゃって」とか、毎日の中から、業務上必要な会話ではなく業務上不必要な会話のネタ(永続性のあるもの)を見つけてきて、適当に話しているのです。 このことは個人的には重要だと思います。
★『沈黙』の自然さ
『話題の永続性』には困難性がありますから、とうぜん『沈黙』はつきものです。話題は途絶えるときが必ずあります。
家族や気心の知れた相手との間では、何も考えずに話し、何も考えずに沈黙して別な事を互いにしています。自分が嫌いな相手だって、当然いるし、取り立てて話す間柄じゃない人と無理して話す必要性は皆無に近いと思います。沈黙・無会話で自分を責めたり、自分は駄目だと思う『マイナス自意識』は無駄な自責ですから、ある程度、沈黙・無会話に対して開き直ることは大事だと思います。『沈黙』は自然だということをあえて明確に記録してみます。