トーク・会話・雑談ーメンズクラブ(ホスト)をしていたときの話

「トークの本質は何も考えずに話すこと-それはどうすれば可能になるのか探ってみる」

  • トークのぐだぐだカクテルその11

★メンズクラブ

20歳ころのことですが、キャバクラの黒服を2年ほどしていて、その時期に掛け持ちで2ヶ月だけメンズクラブで働いていました。黒服の後輩がそのメンズクラブで働いていたので紹介してもらって働き始めました。


「自分はトークが駄目だ、男とも苦手だし、女はもっと苦手だ」と強く思っていました。



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男性に対しては、別記事を書きますが『麻雀』にのめり込むことで集団で会話することへの抵抗が薄れて、ある程度ですが普通に話せるようになりました。女性に対しては、苦手感が強烈でキャバ嬢に慣れれば女性全体に緊張しなくなるだろうと考え、黒服のバイトを始めました。このことは次記事にします。黒服バイトとメンズクラブでは仕事が異なります。メンズクラブではトークがメインになる訳です。バーテンダーとも違って、カウンターの客と話したい時に話して、離れたい時には離れるというスタイルとも違います。自分が商品となってトークをするのが仕事です。場を居心地のいい快感空間にするのが仕事です。そうしないと客は次には店に来ません。チャージ料金を含めて料金設定が高いですから。

当時の自分を振り返って、「当時の自分のトーク」と「理想としていたトーク」をパンで表現してみます。
 ✪『自分は話題の無い穴の開いたドーナツ』
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 ✪『理想は穴の開いてない「アン」とか「クリーム」とか話題と呼べる中身の詰まったパン』
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★仕事の実際

「あんた、つまんないね」、「何かあんたから話しなさいよ」、「楽しませてよ」、「面白い話してよ」、「カラオケ凄い音痴だね、びっくりした」など多くのことを言われました。



しらふでは仕事が辛すぎるので、店に入る直前に、シェーカーで持ち歩いていたウォッカやスピリタスなど高アルコール濃度の酒を飲むようになっていきました。ヘロヘロになった状態で会話を適当にごまかしていたんですよね。そこからさらに仕事で飲むのでよく吐いていました。おかげで今でも、のどに指を突っ込んで好きなときに吐くことができます。仕事中、しこたま飲んで、外に出て吐いているときに、本当に店に戻るのが嫌になって(女性客との会話を続けたくない)そのまま失踪帰宅したことがあります。仕事中に失踪した経験は今のところ人生でこの1回だけです。でも、トーク改善と向き合う必要を感じていたので店長に謝罪の電話を入れて、しばらく続けました。しかし、どうやっても適性がないので「日本一周旅行に行きます」とか自然な感じで言って2ヶ月できっぱりと辞めました。個人的には、人生における全ての仕事体験の中で、最も適性がなくキツかった仕事でした。『穴が開いたドーナツ』が無理して、『トークの材料や慣れが詰まった優秀なパン』を演じようとしても無理だと実感しました。

★ドーナツの会話

穴の開いたドーナツにも会話はできるんです。「いらっしゃいませ」とか「お酒何飲む?」とかお酒のコールとか「今日の服可愛いね」とか上っ面なのは。でもそれを続けていくことが難しいんです。途切れてしまいます。ドーナツの輪の部分を会話として食べ終えると話すことが全部なくなってしまうような感じでした。輪の部分を食べ終えると、沈黙という空間(穴)に襲われる。このイメージ分かってくれる人いるのかな。『不必要な雑談』がドーナツの穴を埋めるために必要なんですが、その不必要な雑談が頭に浮かばなくて。(このトークカテゴリの連投記事は、「不必要な雑談」の埋め方を個人的に追及してみるカテゴリです。今でも会話に苦痛を感じることがあるので。)

★仕事のその他

源氏名は当然ありました。キャバクラとか風俗の女性が源氏名を持つのも当然だと思います。いろいろな客が毎日のように風景のように通り過ぎていくのですから、どんな変な客が隠れているか分からない。怖くて本名なんて教えたくはないです。

客層ですが、やはり普通に風俗嬢とかキャバ嬢とかの仕事を終えた帰りの水商売女性は多いと思います。後は、看護師グループが興味本位で来たり、高級デパート系で働いてる女性とか。あと、よく分からないんですが、中年の男性が一人でカウンターに座って毎週のように来てました。

他にも、歌のうまい先輩がいて羨ましかったです。客との会話に疲れたときとか面倒なとき、カラオケで時間を潰せるので接客業にカラオケは必須です。ちなみにキャバ嬢は、ついた席の男性客の会話がつまらないとカラオケで時間を潰すという行動をとることがよくあります。

自分的には新規の客を全然店に呼べなかったと思います。客の女の子と遊びに行ったりというのは少しはありましたが、それと店に通わせてお金を使わせるのとは別です。自分が黒服をしていた店のキャバ嬢連中が仕事を終えた後に遊びと応援的な感じで来てくれてたので本当に助かりました、でも携帯で彼女たちを「飲みにおいでよ」って誘うのがダルかったです。当時は午前1時まで黒服をして、それが終わったら掛け持ちのメンズクラブに行って午前1時半から午前7時まで働くとかいう生活をしていました。結構金銭的にはリッチな時期でした。その合間に大学に行ったり、格闘技道場に顔出したりしていました。

自分は入店2ヶ月でやっていけなくてすぐに辞めましたが、皆がすぐ辞めていました。だいたい体験入店や数日働いただけで来なくなっていました。後輩は全員すぐ辞めて行ったので2ヶ月の間には後輩はできませんでした。たぶん、会話にキツサを感じたのかと思います。店長とか先輩とかは数年単位で続いていましたが、合わない人には地獄です。キャバクラとかとも違って、女性は男性のように性欲や身体接触や色気をベースとして来店してる訳ではないんですね。非日常とか楽しさとかドキドキ感とか、なかなかニーズに応えるのが「穴の開いたドーナツ」だと難しいです。穴が開いてないパンな人や穴を埋めた人なら、楽しくできる仕事かもしれません。トークというものについて、自分が『穴の開いたドーナツ』だと強烈に実感した仕事でした。

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