ショーペンハウアーじいさん(7)物事の局限
たまに昔の本を読む
その中で、心に引っ掛かった文章だけを抜粋する
ショーペンハウアーじいさん、ドイツの哲学者、仮定生存年齢236歳(1788年生)
「幸福について―人生論―」新潮文庫
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すべて物事を【局限】するのが幸福になるゆえんである。われわれの限界、活動範囲、接触範囲が狭ければ、それだけわれわれは幸福であり、それが広ければ、苦しめられ不安な気持ちにさせられることもそれだけ多い。
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幼年時代にはごく身近の環境とごく狭い境遇とに限られている。青年時代になると、もうずっと範囲が広くなる。壮年時代には限界が全生涯をその範囲とするのみか、世界の国家や民族といったような最も遠い社会関係にも及ぶ場合が少なくない。老年時代になると、後世の子孫のことまでもがその範囲に含まれる。
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活動範囲が限られれば、意志を刺激する外部的動機を意志から取り去ることになり、精神を局限すれば、その内部的動機を取り除くことになる。ただし精神を局限する行き方には欠点がある。すなわち精神の局限は退屈を招き入れることになる。
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